愛情たっぷりのスープ

2012.01.07

数年前、このホテルニューグランドを詳しく取材したことがある。三〇人ほどのスタッフに話を聞いたのだ。そのとき強く印象に残ったのは、スタッフが向上する気持ちを持っていることだった。中には、「ホテルの住所が本籍地です」とか、「一生の仕事です」と言う人もいれば、「絶対に辞めない」と宣言する人もいた。歴史を持つ老舗ホテルには、一種の職場愛が溢れているのである。歴史を守り、それを次世代につなげていこうという意識がそうさせるのであろう。

[参考]
別府温泉郷の温泉・露天風呂のある宿・ホテル - じゃらん温泉ガイド
http://www.jalan.net/onsen/OSN_50437.html

西鉄イン黒崎 - じゃらんnet
http://www.jalan.net/yad311317/

Unknown:港区台場のホテル - じゃらんnet
http://www.jalan.net/hotel/130000/NO_100415/

そして、その職場愛が顧客にも注がれているのだ。同様の話は、庭のホテル東京の経営者からも聞いた。職場を愛し、長くついているスタッフがいればこそ、温かい雰囲気を維持できているのだと教えてくださった。そういう社風は、それ以前の旅館時代、ビジネスホテル時代から培われたもので、かつて常連客がお土産を携えてみえたそうだが、それもそういうスタッフがいたおかげだという。ホテルニューグランドもそんなホテルだからこその、その温もりに惹かれる常連客も少なくない。例えば、親・子・孫と三代にわたって結婚式を挙げ、日頃から利用していたご家族がいた。そのご家族がこんな逸話を語ってくれた。「主人が入院して食欲をなくしたとき、そうだ、ニューグランドのスープを飲ませてあげようと思いまして、顔見知りのスタッフにお願いしたことがありました。前例のないことだったようでしたが、スープを魔法瓶に入れて病院に持っていくことができました」愛情がたっぷり含まれたスープは、どんなにか美味なことであったろう。





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